我が国に於ける船舶代理店とは、元々船社総代理店の支店・出張所等出先機関の設置されていない港湾において船舶運航が邦・外国船社を問わず、その船舶の入出港事務を取り扱う機関の必要上、港湾荷役、運輸、倉庫、曳船、通船、船食業者等が本業に付随するサービスのひとつとして、船社総代理店から入出港に関わる代理店業務を引き受けるようになったのが、その生い立ちである。
戦後経済の急成長とともに、わが国海運も急伸展を遂げ、全国各港には定航貨物船をはじめ、大型化したタンカー、専用船、コンテナ船、特殊船等内・外航船の入出港があり、港湾の円滑な運営、安全確保、公害防止等の目的のため諸法令規制が強化され、それに伴って港湾関係諸業務の分業化が進み、代理店の行う諸官庁署関係業務、諸手配業務、調整の業務がますます複雑多岐にわたり、従来の片手間仕事では追いつかなくなった。
すでに全国11地区の港湾に設立されていた船舶代理店等を統一して、業界の健全な発展を図り、海運貿易に寄与しようとする機運が高まり、昭和41年8月1日、中央機関として「全国船舶代理店中央連絡協議会」が発足、会長に高嶋四郎雄氏(元伊勢湾海運会長)が就任し、日本港運協会第七部会に加入した。
その後、昭和43年8月1日、日本港運協会から独立して「全国船舶代理店協会」と改称して、会長に芹沢一吉氏(元大東運輸社長)を推し、加入会員404店社となった。その後、地区会員は沖縄を除く全国各港を網羅するに及び、昭和49年1月1日「日本船舶代理店協会」と再改称し、今福正文氏(元中国海運、島本海運相談役)を会長に選出、更に平成2年12月竹内浩之氏(元大興産業顧問)、平成13年11月吉川武明氏(元鈴与常務取締役)、平成19年11月阿部克美氏(第一港運顧問)、平成29年11月には現会長岡田幸重氏(第一港運社長)を新会長に選出し、現在に至っている。
加入地区は北海道、東北、日本海、鹿島、千葉、東京、神奈川、清水、伊勢湾、大阪、兵庫、中国・四国、九州の13地区、加入会員数は365社となっている。
船舶代理店業とは、船社の所有船、傭船、及び運航受託船等が特定の港に入出港する時、その代理店契約にもとづき、入出港に関わる代理店業務の一切を取り扱うことを業とする事業をいう。
代理店を営もうとする者は、海上運送法第33条ならびに同施行規則第29条により、事業開始から30日以内に国土交通省に届け出なければならない。
当協会は、船舶代理店業務に関する調査研究、啓発、宣伝及び各種情報の交換等を行い、斯業の健全な発展を図り、船舶のために円滑な入出港、船体・乗組員の安全、貨物の受け渡し事務等に努め、海運全般のためには、諸官庁署に協力し、
大局的視野に立って海運立国の一端を担い、我が国海運貿易の最先端的役割を果たすことが本来の目的である。
事務局: 東京都港区海岸3-26-1 バーク芝浦5階
役員: 会長、副会長、常任理事10名、理事13名、監事、専務理事
全国13地区においても中央とほぼ同様の組識を持ち運営を行う。